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申立をためらった理由ーその3

成年後見制度は理念として『自己決定の尊重や身上配慮の重要性』を唱っていますが、調べるうちに『制度の理念はどうしたの?』という印象が強く、本当に有意義な制度なのか私自身が納得する時間が必要でした。

■平成11年12月 担当:法務省民事局  成年後見制度等関連四法の概要
成年後見制度の改正の理念

自己決定の尊重,残存能力の活用,ノーマライゼーション等の新しい理念と従来の本人の保護の理念との調和を旨として,柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度を構築するための検討が行われた。

  身上配慮義務及び本人の意思の尊重等 (注:民法858条)

自己決定の尊重及び身上監護の重要性を考慮して,現行民法第858条の規定に代えて,成年後見人等は,その事務を行うに当たっては,本人の意思を尊重し, かつ,本人の心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない旨の一般的な規定を創設する。

平成12年当時は制度発足間も無い事も有り、任意後見の財務管理に重点をおいた情報が主で、本人よりも例えば金融機関など市場取引の安全確保ばかりがクローズアップされているような印象が強かったです。
  家族が「遺産相続」や「預金引出」の為に利用する制度なのか、
  金融機関や行政が自分達の立場を守るためにある制度なのか、
  財産がない人には不要なのか、
と思ってしまいそうなほど、「権利擁護」や「身上配慮」はお題目だけで、その事を具体的に説くようなものになかなか出会えませんでした。

■ジュリスト 2002 2000.2.15号(No.1172)より引用
成年後見制度と立法過程〜星野英一先生に聞く
2身上監護について

星野:世間では改正後の成年後見制度は、身上監護を強化するものだ、という誤解があり、ある方はどこかの座談会で、「そういう間違った期待をうまく利用して機運が盛り上がった」と言っておられますが、幻想を与えてはならない。その点を十分PRせよということは、法制審議会でもしばしば発言され、福祉団体の方も理解されて、PRしておられます。 (中略)
そもそも能力制度は、その人の財産を管理するための制度です。だから、我妻先生の本などにも、それらは、財産のある人のための制度であって、財産のない人を保護するものではないと書いてあります。ですから、財産管理が中心であるのは当たり前のことです。 (中略)
しかし、一方で民法858条があります。他方、身上監護制度への期待は幻想にしても大きいので、それにどう対処するかが非常に議論になりました。

そうです、星野さん。私はまさに「大きな幻想」を持っていました。
あくまで本人の権利擁護の為に身上配慮義務があり、その為の財務管理であるという私の成年後見制度像は「大いなる幻影」なのですね。
でも「間違った期待」は「正しい期待」にしないとダメじゃないかなと、私は今考えています。
  

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