« 私の背景 | トップページ | 申立をためらった理由ーその2 »

申立をためらった理由ーその1

伯母に対し、どのように病名告知・制度の説明をするかで悩みました。
私自身は病名告知は必要と考える人間です。
伯母は論理的説明を欲する人です。
制度を利用するにも、なぜ必要かを伯母に納得してもらうには病名告知は避けられないと思いました。
本人への病名告知をするべきかどうか、告知するとすればどのように話すか。
ひとり暮らしでしたから、話した後の心理ケアはどうしたらよいか悩みました。
  話しても、すぐ忘れる可能性が高いので無意味かもしれない。
  だが、時期を逸して病状が進んだ後では後悔するだろう。
  当時の主治医と妹2人(もう一人の伯母と私の母)は告知に反対でした。

何度か病気について話せる時期を探っていましたが、ようやく診断1年後に話しました。(成年後見制度については、私自身がまだ納得できなかったので触れませんでした。)

元気で落ち着いていた日でした。
以前の胃ガン告知の時の話を聞いた後、世間話風に病名告知について話をもって行きました。
伯母の「年だから、何があっても驚かない。自分の事は知りたい。」という言葉で、話す決心が付きました。
レーガンなどを例に、記憶伝達の細胞が減少する等、順を追って病気の概略を話しました。重度になった時の事はあいまいに伝え、薬を飲むことで現状維持が望めると伝えました。
この病気は集中力に波がありますが、その時の伯母は以前の姿に近く、とても真剣に聞いてくれました。

延命措置・施設入所・死後の事についての希望も聞きました。
(この時に聞いておいて、本当に良かったと思っています。)

【 病名告知についての参考資料 】
http://www.pmet.or.jp/work/kyozai2/index.html
インフォームド・コンセント事例集 part2
(医師の実践レポートとインタビューです。)

http://www2.eisai.co.jp/clinician2/bknmber/no506.html
http://www.e-clinician.net/vol48/no506/index.html
痴呆症Q&A−家族・介護者からの質問にどう答えるか
(エーザイ株式会社発行の定期刊行誌)
CLINICIAN(クリニシアン)vol.48 no.506(2001年12月1日発行)号です。

この号の中に下記の記事(Acrobat書類)があります。

http://www2.eisai.co.jp/clinician2/cl2_01_506/sp_506_02.pdf
http://www.e-clinician.net/vol48/no506/pdf/sp_506_02.pdf
  座談会:アルツハイマー型痴呆患者、家族へのインフォームド・コンセント
  新宿一丁目クリニック 院長 ・ 青梅慶友病院 副院長 斎藤正彦
  東京慈恵会医科大学 精神医学講師 繁田雅弘
  (司会)東京医科大学 老年病学助教授 岩本俊彦

私はこの記事を読んで、伯母に話す決心をしました。
本人がどれだけ理解できるかどうか、誰にもわかりません。
「わからないだろう」から告知しないというのは、理由にならないと思います。
愛情から「告知してショックを与えたくない」と思うのは当然で、私もそれで散々悩みましたが、
何かおかしいと感じて不安の中にいる本人が、病気がその原因だと知る事・自分の将来を自分で決めるチャンスを持つ事の方が、より大切ではないでしょうか?

上の座談会記事からの引用です。

繁田: 確かに理解力や同意する力は、なかなか測りにくいところがあると思います。症状がある程度進んでいるとすれば、話してもわからないかもしれません。しかし、話して内容を一部でも理解するとすれば、患者さん自身の浅い理解かもしれませんが、それをサポートすることで結構家族と一緒についてこられるような気がしているのです。

斎藤: その後のフォローの問題だと思うのです。私自身は告知できるかどうかは患者さんの要件よりは医者の能力というか、フォローできる時間があるかどうかということを含めて、医者の側の要件だと思います。それと、インフォームド・コンセントという概念があまりに患者さんの権利ということでばかりいわれて、契約云々で、「言ったんだから私には責任ありませんよ。あとの決定はあなたのせいですよ」という態度は、私はまずいと思います。

|

« 私の背景 | トップページ | 申立をためらった理由ーその2 »

「申立に至るまで」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/72183/4032928

この記事へのトラックバック一覧です: 申立をためらった理由ーその1:

« 私の背景 | トップページ | 申立をためらった理由ーその2 »