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緊急集会に参加して

「4月5日に成年後見制度の活用の必要性を訴え、そのための制度的手当て(立法)を国会議員に求める日本成年後見法学会の緊急集会がある」という社会福祉士久保田さんの記事を読んで、参加してみました。
衆議院第2議員会館第3会議室で17時から1時間行なわれた会の参加者はおおよそ100名。部屋にぎっしりの人数でしたから、学会の意気込みを表すことは出来たでしょう。
発言者は下記の通り。(敬称略)


主催議員:泉房穂(民主党兵庫2区衆議院議員)
日本成年後見法学会から
  新井誠(筑波大学大学院教授)
  赤沼康弘(東京弁護士会)
  大貫正男(埼玉司法書士会)
  金川洋(東京社会福祉士会)
  中山二基子(東京弁護士会)
  村上重俊(東京弁護士会)
  前田稔(東京司法書士会)
  池田惠利子(東京社会福祉士会)
兵庫県知的障害者更生施設「愛心園」施設長 福田和臣
参加議員
  泉健太(民主党京都府3区衆議院議員)厚生労働委員会/委員
  足立信也(民主党大分県参議院議員)/消化器外科医師
途中で顔見せ議員
  福島瑞穂(社民党党首・参議院議員)/弁護士


学会の皆さん(司法書士・社会福祉士・弁護士)の発言を議員が聞く場という事でした。その主な内容について、私が覚えている範囲内でレポート。
  (注:発言にある「後見」は成年後見全体を指すのか「後見」のみなのか不明)

・成年後見制度は知られていない。使われていない。
・擁護されるべき人たち、必要としている人たちの手に届いていない。
・介護保険サービス契約などで、法的根拠もないのに家族が代理署名する
 ような違法状態が野放し。
・「成年後見制度利用支援事業」の活用が少ない。行政の壁が厚い。
・市町村長の申立が少なすぎる。検察官申立は職務違いで為されていない。
 (注:参考資料 毎日新聞「成年後見制支援:利用自治体は2割弱」
・「支援事業」から助成される制度利用の費用は本人へ支払われる為、
 収入と認定される恐れがある。生活保護を受けている人にはとって重大問題。
・約3万人の後見人の内、家族後見が85%。
 職業後見人の内、司法書士が約2500件、社会福祉士が約800件担当。
・独仏英では人口の1%が利用している状況からすると、
 日本は120万人の利用があっていいはず。
・資力のない人も利用できるよう後見人等報酬の助成制度を。
・中山弁護士から身上支援・介護支援・財務管理のトータル保険導入案。
・意見を言うにも!!!『所管が法務省か厚生労働省か定かでない』!!!

積極的に制度利用に取り組まれている知的障害者施設長の福田和臣さんの発言。
・施設内の知的障害者92%が後見制度を利用。2名を除いて家族が後見人。
・知的障害者の場合、一番の問題は家族(特に親)亡きあとの第三者後見人への引き継ぎである。


全体的に財務管理主体ではなく身上監護の概念を打ち出していました。つまり、財産がある人だけの為の制度ではない、というのが発言者の共通理解のようでした。
「成年後見制度は介護保険制度と並ぶ“車の両輪”」なんてスタート時から外れてましたけど、5年も経っているのに、まだこんな根源的な事を言わなくてはならない現状には呆れ返りました。

専門家の皆さんは頑張っていらっしゃるし、その発言は大変勉強になります。
が、85%の家族後見人の一人として、気になった点もありました。
1)後見人等報酬について
『家族後見人からの後見報酬請求はない。まあ、相続できるからいいでしょう!』という発言がありましたが・・・。「個」としての本人でしょう。家族の代理署名に法的根拠は無いのでしょう。家族後見人が相続人とは限らないでしょう。後見人等報酬についてだけ「家族なんだし」というのは釈然としません。
(私は後見事務報告の時に後見人報酬付与の申立をしています。後見人報酬については別に書きます。)

2)職業後見人や専門家の方々は家族後見人をどう捉えてるのか
・家族後見が多くを占める理由をどのように考えているのか?
・家族後見人の声に積極的に耳を傾けてくれているのか?
・職業後見人や専門家の方々の視界に家族後見人は入っているのだろうか?
家族後見人の発言機会や情報・意見交換の場は少なく、自分たちが後見できなくなった後を心配しています。第三者(職業)後見人の方々に家族後見の実績をしっかり引き継いでもらう為にはどうしたらいいのでしょうか?
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コメント

久保田様・ tdwwd534様・平岡様
専門家の方々からコメント頂き、感謝しております。
私自身は専門ではないので当事者としての発信しかできませんが、今後とも色々なご意見をお聞かせ下さいますようお願い致します。

投稿: nag@管理人 | 2005.04.10 23:34

集会の様子が気になっていたので、有り難いレポートです。今回は、日本成年後見法学会が、「後見の社会化」をテーマにしていることから、円滑な利用を図るには制度化が、重要と開催しています。ぼくは、幹事をさせていただいています。専門職の集まりという規定はありませんので、管理人様も是非、参加して下さい。
家族の後見人が担うことなしに、職業後見人だけでは、必要を満たすことができず、ご指摘のとおり、家族の後見人を支援する仕組みが必要と思います。
知的障害施設の利用者の親の会より、後見の相談を求められています。まずは、申立からですが、ここでも敷き居は高い。合同で相談を受けうる予定です。後見開始後も、支援できればと思っています。
さがみ野国際社会福祉士事務所 平岡 祐二

投稿: 平岡祐二 | 2005.04.10 22:44

久保田CSWオフィスのブログからアクセスして読ませていただきました。非常に勉強になりました。

 特に家族後見人に対する支援が、もっと必要であると考えさせられました。

第三者の職業的後見人だけでなく、家族や本人をサポートする仕組みはまだまだ未完成ですね。

 家族が後見を行うが、出来ない部分を見極めて、支援するサービスの創設も必要かと考えました。

投稿: tdwwd534 | 2005.04.09 13:58

緊急集会のご報告をありがとうございます。集会の状況がよくわかり、貴重なご報告をいただきました。
 私は火曜日の夜は仕事があって参加できませんでしたので、興味深く読ませていただきました。

 集会での家族後見人への後見報酬の考え方や、家族後見人と第三者(専門職)後見人との関係など、私ども専門職が見落としてしまう視点ですね。

 後見事務は、ボランティア感覚、家族の好意・責任感で事務を継続していくには、その事務量、責任の重さから負担が大きすぎるのではないかと思います。ですから、家族であっても、私は後見報酬を請求するのが基本と思います。

 今後、専門職(団体)と家族後見人との、意見交換などの場ができるとよいですね。

投稿: 久保田CSWオフィス | 2005.04.09 09:37

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