誰のため?

「成年後見制度の利用の促進に関する法律案」及び関連法案に対する反対表明

私たちは認知症高齢者介護家族・親族後見人の立場から
「成年後見制度の利用の促進に関する法律案」
「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」に反対します。

反対の理由
■成年後見制度の「本人の権利擁護」という基本理念は制度発足時から、
既に唄われているではありませんか。
制度発足前 平成11年の審議内容を読み返されてはいかがですか?

そもそも家庭裁判所の後見係の実態調査をこの16年間どれだけおやりになってますか?
制度の入り口、申立手続から「本人を見ない」ことが常態化している昨今の家庭裁判所の状況をご存知ですか?
個々のケースについてきめ細かく考慮して審判に至る状態ではないのです。

まず 制度発足の最初から以下の問題があります。
    本人の介護・看護その他 その時点で本人の生活に関わる人たちの
        情報を裁判所が得ようとしないこと
        精査しようとしないこと
        意見が反映される方法がないこと。
    本人の介護・看護その他 その時点で本人の生活に関わる人たちが
        裁判所に対して異議申立ての道が少ないこと。

そして
本人の調査、鑑定を省略:なぜ以前にできた事ができなくなったのでしょう?
    2003年申立時は本人調査も鑑定もありました。
    その時の調査官は事前に 私の本人調査への対応の不安を見事に払拭し、
    本人自身、本人の暮らす施設環境、スタッフ、そして本人と後見人候補者である私との関係(感情)など細かく調査して下さいました。

■成年後見制度が「十分に」利用されていない理由は
家庭裁判所の本制度の運用実態が本人の権利擁護を最優先とせず、
本人以外の家庭裁判所を含む人員不足・能力不足と本人以外の家庭裁判所を含む金融機関、行政などの責任回避と利便性・効率性に重きをおいているからです。
    医療行為の同意、郵便物等の管理や死後の問題など、
    確かに本人の「権利擁護」の為に論議する必要性はあると思います。
    しかし、本当に「本人の権利侵害と権利擁護」のぎりぎりのラインを見定めようとしていますか?
    実は 本人以外の者がただ事務処理をしやすくしたいという願望の方が勝っていませんか?
    「本人の権利侵害と権利擁護」の見定めをきちんとチェックする者はいますか?
    そもそも「本人の意思」を知ろうとしていますか?

■成年後見制度の利用を促進する前に、
本人以外の者や組織の立ち位置をまず見直し、家庭裁判所の現場の方々の執務状況を精査し、人員を補強、養成する事が先決ではないでしょうか。
利用促進会議や促進委員会の設置に予算や時間を無駄に費やす必要はありません。
もう16年経っているのです。
本制度発足時前から家庭裁判所の人員不足は素人の私たちでも予測できました。
「権利擁護」が建前だけなのも、この16年間で実感致しました。
二度の親族後見人経験だけでも、裁判所による制度運用の劣化は著しいものです。
既に、裁判所自身が機能不全を起こしているのではありませんか?
裁判所自身が根本的な問題に自ら取り組まなければ、財産上だけでなく身上の不正を増大させるだけです。
裁判所の人員不足を補う為に「市民の中から成年後見人等の候補者を育成しその活用を図る」というのは、あまりに安易すぎる考えです。

法律上ではあいまいな事柄が全て裁判所内の規定で変更、決定されているようです。
    親族後見の不正防止対策としての「後見支援信託」と「後見監督人選任」
    裁判の迅速化対策としての「医師の診断書」重視で「本人調査・鑑定不要」
    家裁の人員不足対策としての「参与員増員」
全てにおいて、裁判所の「内規」で決まり、基準が明らかにされません。
裁判所の責任(人員補強、監督の不備)を「親族後見人の不正防止」対策で誤摩化していると思えます。
裁判所の親族後見の不正の統計では総数と総額だけが出され、どのような不正か細かく発表されていません。
弁護士会や司法書士会が調べた資料では、裁判所の不適切な後見人選任の問題、裁判所の説明不足、裁判所の後見監督の怠慢なども不正の理由としてあげられています。
又 後見人の不正のほとんどは親族後見人である一方、一件あたりでは数は少なくとも専門職後見人の不正による被害額は倍以上になっています。

■最後に
裁判所自身の人員不足と後見人選任の責任、後見監督の責任を回避するために、個々の状況を精査しないまま、「後見支援信託か第三者監督人選定」という外部委託を強制して、
    まじめな親族後見人の邪魔をしないで下さい。
    本人の財産から無駄な支出をさせないで下さい。

以上

2016年4月4日

認知症高齢者の家族:一名
認知症高齢者の家族・親族後見人:一名

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二度目の家族後見人

家裁の都合で 成年後見制度が捻じ曲げられているのは、

ただいま実感中です。

斎藤正彦医師 2011年  youtube 約14分
【成年後見制度は高齢者の人権を守るか?】

PDF書類 

 youtube映像の方が詳しく話されています。

 

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2011/08/02 にアップロード

成年後見制度は高齢者の人権を守るための制度である、という社会一般の受け止め方に反­対しているわけではありません。

しかし、成年後見制度は無条件に人の人権を守る制度で­はなく、

諸刃の刃のように、使い方を間違えれば高齢者の人権を侵害する道具になりかね­ません。

[斎藤正彦]

提供・認知症Stadium.http://dementia.or.jp/

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2014年 二度目の家族後見人(法定)になりました。

一度目の時と申立の時から この制度の後退を感じています。
今国会(第190回通常国会)で、「成年後見制度利用促進法案」が与党から提出されそうなこともあり、
前回と今回を比べつつ、又 再開します。

(かなり怒ってます)

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「成年後見ノート」のご紹介

祖母や伯母の為に施設宛「利用者の状況に関する情報」を書きながら、私の場合は誰が書いてくれるのさと、半ばふてくされつつ自分用のも書きはじめていた折に見つけました。
司法書士の清水敏晶さん(群馬司法書士成年後見委員会)らが作られた成年後見ノートです。まだ試案の段階だそうです。財産管理や医療行為・葬式などの希望以外に、どのような暮らしを望むか、具体的に自分の希望を記載するノートです。自分の生活暦・価値観・性格・嗜好・趣味など、自由に記載します。画一的になりがちな後見から、もっとその人らしい暮らしを支えられるような情報提供としては、とても良いアイデアだと思います。

制度施行前の平成11年4月に開かれた群馬司法書士会のシンポジウム「老いてもわたし ボケても自分 —成年後見は権利擁護システムとなりうるか—」でノートを披露されていますが、このシンポジウム全体の内容もとても参考になりました。「誰のための制度であるか、誰のどんな権利を守る制度なのか、権利擁護システムになりうるかどうか」について、司法書士の他に在宅介護支援センター主任相談員、社会福祉士や銀行の方々の現実に密着した発言を読んで、私の成年後見制度像が決して私だけの「大きな幻想」ではないと、元気づけられました。

下記は清水さんのノートの説明内容の一部です。(3ページ目にあります。)

内容を少しだけ紹介しておきます。「生活環境類推道具」というのがあります。自分の趣味嗜好を類推してもらうための道具をあげてあります。日記などを見てもらえば詳しく分かるでしょうから、そういうことを参照にしてもらいたい場合はチェックを入れます。そして、置いてある場所も書いておけば、任意後見人がどうしようかなと思った時に机の引出しの三番目を開いてみれば出てくるわけです。
「生活環境類推道具」の下に「自己規制、自制事項」があります。酒のところにチェックを入れまして75歳以降一日一合以下というようなところにチェックを入れれば「ダメだよ」って言ってくれるわけですね。
あと「定期行為」というのがその右にあります。歯ブラシの先が少し丸くなったら替えてもらいたい人もいると思いますけど、そういうことを思えばここにチェックを入れます。
「生活に関する具体的な位置づけ」というのがあります。ここでは、もしもの時にアドバイスを受けて欲しい人、逆にアドバイスは無視してもらいたい人がいる場合は、そういう人たちをここに書く。こんな具合です。そのほか具体的な財産管理の仕方などを後の方に綴っておいてあります。このようにチェック項目をチェックして、不足しているところは書き足して保管しておくわけです。将来みなさんの手足になってサポートしてくれる人がこのノートを見ながら、みなさんに一番良いと思われる事を判断してくれるはずです。

成年後見ノート(試案)は下記にあります。(Acrobat書類)
http://www5.wind.ne.jp/simiz/houritu/seinennote.PDF


私自身も独身ですので、伯母の状況と自分の将来を重ねて考えています。
将来に備えて自分はどう介護されたいのかも具体的に書くことで、伯母の気持ちを推量する手助けになるようにも思います。
家族間で話合って書いてもよいと思います。親しい友人や信頼できる介護・医療スタッフとの間でもよいかもしれません。必要な時に見てもらえるように保存場所だけは教えておいて、徐々に書き込んでいくのはどうでしょうか。
このノートなどを参考にしてもらえる保証のある制度になって欲しいと思います。

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